パガニーニ作曲のカプリース第22番について徹底解説!
カプリース22番がどんな曲なのか?
そして、どんなこと考えて練習すればいいのか?
この記事の著者めっしーが、実際にカプリース22番のレッスンを受けたときの内容を中心にまとめています
画像&動画付きでわかりやすく解説しますので、楽しんで見てみてください

パガニーニカプリースの22番弾いてみたいけど、どうやって練習したらいいのかなー?カプリース22番がどんな曲かっていうのも知りたいー!
こんな悩みを解決します
- この記事の信頼性


Twitter(@messi_agarisyo)
この記事の内容はプロ養成門下で学んだ著者めっしーが、実際にレッスンを受けた内容を参考にまとめています。 レッスンを受けた先生はヴァイオリンの著書も出版している先生です。
こんにちは、超絶緊張しいヴァイオリニストのめっしーです
カプリース22番はなんといってもアクロバティック
パガニーニらしく、指が指板の上を縦横無尽に動き回る
そんな曲
この記事ではパガニーニのカプリース22番がどんな曲なのか?
そして、パガニーニカプリース22番を練習するときに、どんなことを考えて練習していけばいいのか?
詳しく解説していこうと思ってます



それじゃあいってみよう
パガニーニってどんな人?


パガニーニは悪魔と呼ばれた
蜘蛛のように動き回る左手、生きているかのような弓の動き
人間とは思えない
当時の人々は人間離れしたパガニーニのテクニックを見て、悪魔に魂を売ったとすら考えた
足はあるのか?
パガニーニに足があるか、足元を見に来る聴衆



なんで、パガニーニはこんな超人的なヴァイオリン技術を身につけることができたの?
なぜ、パガニーニはこんな超人的なヴァイオリン技術を身につけることができたのか?
父親の影響が大きい
パガニーニの父親は客寄せパンダにするために、パガニーニを特訓した
上手く弾けなければ食事を与えないこともあった
まあ、う〇こ親父だったわけ
そんな感じでパガニーニは悪魔的なテクニックを身につけていく
パガニーニのカプリースは、そんなパガニーニが作り上げたヴァイオリン弾きのバイブル


パガニーニカプリース22番ってどんな曲?



パガニーニカプリース22番ってどんな曲?
パガニーニのカプリース22番を一言でいうと、アクロバティック
大きなポジション移動が出てくる
大きなポジションで、ただですら音程が不安定なのに、ポジション移動した先は10度
左手は縮んだり、伸びたり
1弦またぐ激しい移弦
なんていうか大道芸というか、サーカスというか、、そんな曲です
別の言い方をすると超絶技巧って言うんかな、かっこいい
ヴァイオリンの指板をパガニーニの手が動き回る、蜘蛛みたいに、人間の手じゃないみたいに。
そんなパガニーニの演奏を聞いて、当時の聴衆は熱狂したんだと思う



ちゃんとした解説も見ておきましょう
マルカート ヘ長調 6/8拍子
6度・3度・10度の重音や、さらに三重音を加えた第1部と、ニ短調、16分音符のマルテラートからなる中間部からなる
MIDORI・PAGANINI 24CAPRICES
カプリース22番は3部構成になっている
第1部 マルカート(Marcato)
中間部 マルテラート(martellato)
再現部 マルカート(1部とまったく同じ)
マルカート(Marcato)
カプリース22番の第1部と再現部はマルカート(Marcato)



マルカート(Marcato)は『1音1音ハッキリと強く』っていう意味
6度・3度・10度・・・三重音
重音の嵐なわけ、
ただでさえ難しいのに、バンバンポジション移動がでてくる
難曲。





実際にカプリース22番のマルカート(Marcato)を聞いてみよう
マルテラート(martellato)
カプリース22番の中間部はマルテラート(martellato)



マルテラート(martellate)は『槌で打つように』っていう意味
ん?なんだ”槌“って?



“槌“っていうのはハンマーのこと、金槌って聴いたらイメージできるかな
ハンマーでカンカンって打つようなイメージね
まあ、スタッカートみたいな感じと思っておけばOK
中間部のマルテラート(martellato)は弓が飛んだり跳ねたり、動き回る
ワンボウスタカート
弦をまたぐ激しい移弦の連続、パガニーニといえば超絶技巧、そんなイメージに近い部分かな





実際にカプリース22番の中間部、マルテラート(martellato)を聞いてみよう
パガニーニカプリース22番の弾き方、考えること【マルカート(Marcato)】



カプリース22番の弾き方、どんなことを考えたら弾きやすくなるか、お話していくよ
マルカート(Marcato)の冒頭、6度の重音はビビらない
まずはマルカートMarcatoの冒頭、6度の重音
マルカートらしく発音をハッキリ弾こう
ビビッた方が音程外します
なよらー(なよなよしていてビビりな人間のこと)な僕は、念入りにビビらないように注意されました、レッスンで





まずは多少音程外しても良いから、ハキハキとした音で練習しよう
6度の重音の後のファはG線でとる
G線のファ、、?って一瞬パニックになるかもだけど、冒頭の6度の手の形のまま、2の指でG線のファを弾けばOK


ポジションは冒頭の6度を弾いたときと同じです



冒頭の6度の重音のとき左手は3と4だけくっつく形、その形がそのままG線に行って2の指でファを押さえるって感じ
テンポ感を忘れない
冒頭の6度の重音でビビらないことも大事なんだけど、
テンポ感がなくならないことも、めちゃんこ大事


6/8拍子を感じること
生き生きとしたリズムを感じる
円運動で生き生きとしたリズム、推進力のあるリズム
そんだけでも曲の雰囲気は変わります
10度の重音は広い、狭いで考えるとシンプル
9小節目からは3度と10度の重音


ただでさえムズイのに、場所によっては大きなポジション移動つき
パッ見、無理じゃねって思う
さて、ここをどう攻略するか?
10度を広い、狭いで考えるとわかりやすいです
音符で一つ一つの音を考えるとパニックになるけど、広い、狭いで考えるとシンプルになる
例えば最初のファとラの10度


このファとラの10度は広い10度
残りのソとシ♭、ラとドの10度は狭い10度



10度じゃなくて3度で考えると、広いか狭いか考えやすいかな
ファとラは長3度の関係、だから広い
ソとシ♭は短い3度の関係、だから狭い
こんな感じに音符一つ一つじゃなくて、狭い広いって考えるとすんごいシンプルになる
あと、10度の低い音符を見ていくと、10度の3音のカタマリは2種類に分けられるのがわかる
- すべて全音の関係
- すべて半音の関係
の2種類


すると、超難しそうだった10度はかなりシンプルになる
10度の低い音はすべて全音なのか、それとも半音なのか、
そして、低い音に対して高い音は広いのか、狭い関係なのか、
そんな感じに頭にいれていく。



パガニーニカプリースは『どうやったらシンプルになるか?』って問いかけてみると、わりと弾きやすくなったりする



ヴァイオリンの名手、パガニーニが作った曲、ヴァイオリンを良く知ってる人が作曲したからこそ、そこまで無謀なテクニックはない・・・・らしいですよ
pはひそひそ声で⇒体を少し緊張させると、自然とひそひそ声になる
8小節目まではfで、9小節目でpになる


9小節目からのpはひそひそ話をする感じ
人に聞かれたくない大事な話をひそひそ話してる、そんな感じ
『そういや別れたんだってあの2人』
『そうなん!?この前、家族3人で仲良くお出かけしてたの見たんだけど』っていう会話なイメージ、ぼくの妄想
pっぽい音をどうやって出すかっていうと、体を少し緊張させると良いです
楽に弾いた方が大きな音がでる、逆に体を少し緊張させれば音は自然と小さくなる



13、14小節目で大声になって、15小節目からまたpでひそひそ話になるっていうのもチェックね
スラー+テヌートはちょっと弾き直す感じ
マルカート(Marcato)の前半でスラー+テヌートがたくさん出てくる


スラー+テヌートもしっかり表現しよう
具体的にはちょっと強調して、引き直す感じかな、イタリア人みたいに情熱的に念を押す感じ。
実際にスラー+テヌートを弾いてみるとこんな感じです↓
パガニーニカプリース22番の弾き方、考えること【マルテラート(martellato)】



中間部分のマルテラート(martellato)の弾き方についてお話するよ
スラーはスラーらしく。歌って、強調して
マルテラートで出てくるスラーは、
スラーらしく歌ってあげる、強調してあげる


あと、スラーの頭にトリルがついてる時があるんだけど、このトリルは2回いれます
トリル2回の方がなんか悪魔的
実際にスラーを歌って、強調して弾くとこんな感じ↓
弦をまたいだ大きな移弦は手首で
パガニーニらしい、弦をまたいだ激しい移弦が出てくる
例えば33小節目とか35小節目とか


弦をまたく大きな移弦をするときのコツは、手首で移弦してあげる感じ、かな
弦をまたいだ移弦ってけっこう大変なんだけど、大変な感じは見せずに、余裕ですよーって感じでいきたい
弦飛ばしの派手な移弦、ボーイングを見て、聴衆は熱狂したんだと思う、たぶん
実際に弦またいだ大きな移弦のあるとこを弾いてみるとこんな感じ↓
中間部、マルテラート(martellato)の終わりはミステリアに
最後のポイントは中間部の終わり方について
リタルダンドしながら、最後のレを弾きます



リタルダンド(ritardando)は〈だんだんゆっくり〉っていう意味


悪魔的というか、ミステリアスな感じにしたい
実際に弾いてみるとこんな感じです↓
あ、中間部が終わったら冒頭に戻るんだけど、冒頭の6度はビビらないように(冒頭、ド頭の弾き方なんて忘れたってときはこちらをクリック)、マルカートでハッキリと、、ね。
まとめ
この記事ではパガニーニカプリース22番の弾き方についてお話しました



この記事の内容を振り返ってみよう
- カプリース22番はアクロバティックな曲
- マルカート(Marcato)の冒頭の6度はハッキリと、ビビらない
- ポジション移動+10度の重音を取るときは広いor狭いで考える
- pはひそひそ声で
- マルテラート(martellato)のスラーは歌う、強調する
- スラーの頭についているトリルは2回
- 弦飛ばしの移弦は手首で
- マルテラート(martellato)、中間部の終わりはリタルダンドしてミステリアスに
カプリース22番は左手も右手も飛んだり跳ねたり、まあムズイ
難しいんだけど、けっこう弾いてみると思ったより楽だったりする
上手く作曲されてるんだなって思う、
ヴァイオリンってこうやって弾くんだなって教えてもらえる。



カプリース22番はヴァイオリンの弾き方を教えてくれる曲
参考音源



パガニーニ・24のカプリースの、参考音源を載せておきますね
五嶋みどりさんのパガニーニ:カプリース
五嶋みどりさんのパガニーニカプリースが、一番のおススメCD
五嶋みどりさんは日本を代表する天才ヴァイオリニスト
『日本人ヴァイオリニストの頂点=五嶋みどりさん』と言っても良いぐらい
このCD↓は五嶋みどりさん17歳の録音になります
10代とは思えないほどのテクニックはもちろん、音楽性がもう素晴らしい



五嶋みどりさんの美音、そして芯のある音楽性を存分に味わえる一枚
ユリア・フィッシャーさんのパガニーニ:24のカプリース
もう一つのおススメ音源は、ユリア・フィッシャーさんのパガニーニカプリースです
ユリア・フィッシャーさんの演奏は余裕すら感じる演奏
パガニーニのカプリースはショー的な要素が強くて、『俺はこんなにヴァイオリンが上手いんだ』ということ見せつける曲
でも、 ユリア・フィッシャーさんの演奏は『俺はこんなにヴァイオリンが上手いんだ』ということ見せずに、一音一音丁寧に演奏している印象でした



派手さはない、けれどパガニーニの本当の美しさを知れる一枚