- 『近代ロシア音楽の父』と呼ばれるグリンカとは、どんな作曲家なのか
- グリンカの名曲、ヴィオラソナタを弾くために何を意識して練習するか
について知ることができます
こんにちは、超絶緊張しいヴァイオリニスト・ヴィオリストのめっしーです
『グリンカのヴィオラソナタを弾きたいんだけど、何に気を付けて練習したらいいんだろう?』
『レッスンでグリンカのヴィオラソナタをやっているけど、他のレッスンではどんなアドバイスを受けているんだろう?
』
グリンカのヴィオラソナタが弾きたい。。
けど、何に気を付けて練習したらいいかわからない、、
今回はぼくが実際にグリンカのヴィオラソナタのレッスンを受けたときに、アドバイス頂いたことをまとめています
レッスンを受けているヴィオラの先生は東京芸大のご出身で、プロのオーケストラでの首席奏者の実績があったり、NHK交響楽団での演奏歴がある方です
もちろん正解は一つではないですが、この記事の内容はグリンカのヴィオラソナタを弾きたい・弾いているならとっても参考になると思います
それじゃあいってみよう
グリンカ:ヴィオラソナタ 二短調ってどんな曲?
グリンカってどんな人?
グリンカ(ミハエル・グリンカ)はロシアの作曲家で『近代ロシア音楽の父』と言われる人です
グリンカが生まれた時代のロシアは、他の国と比べると音楽の文化が劣っていました
グリンカは26歳で音楽を学ぶために、当時の音楽の先進国であったイタリアへ行きます
『祖国のロシアが忘れられない』
イタリアで音楽を学んだあと、グリンカは30歳でロシアに戻ります
グリンカがロシアに戻ってすぐは、ロシア国民に受け入れられます
しかし、徐々にロシアではロシア国外で作曲された曲を優先して、演奏会が開かれるようになります
ロシア政府が『ロシアが国際的な国だ』というアピールをするために、ロシア国外の曲の演奏会が中心となっていきました
ロシアの作曲家であったはグリンカは負けじと歌劇《ルスランとリュドミュラ》発表します
でも、 《ルスランとリュドミュラ》 は良い評価を受けることはありませんでした
グリンカが作曲した《ルスランとリュドミュラ》が聞きたいっ、そんなときはこちらをどうぞ▽
ロシアの作曲家であったグリンカの作曲した曲が演奏される機会が大きく減り、
仕事が少なくなあったこと、ロシアから受入れ入れられなかった精神的ダメージからグリンカは体調を崩します
グリンカの音楽は廃れていってしまったのでしょうか?
グリンカの音楽は廃れるどころか、後世に大きな影響を与えます
グリンカの音楽に共感した青年(ミリィ・バラキレフという作曲家)がグリンカの音楽を引き継ぎます
この青年の活動で、グリンカから生まれたロシア音楽が大きく発展してきます
音楽の後進国であったロシアを、グリンカは音楽大国になるきっかけ作りをしました
そんなことからグリンカはは 『近代ロシア音楽の父』 なんていわれます
グリンカはロシア音楽を大きく発展させた作曲家なんだね
グリンカのヴィオラソナタとは?
グリンカのビオラソナタはニ短調の作品です
グリンカのヴィオラソナタは、イタリアに留学する前の1825年から1828年にかけて作られました
グリンカは1837年生まれなので、グリンカの20歳くらいの作品になります
グリンカのヴィオラソナタは3楽章構成ですが、実際にグリンカが作曲したのは2楽章の途中まで
2楽章の途中から3楽章はグリンカとは別の人が作曲しています
なので、演奏されるのも1楽章だけ、というパターンもあります
実際にグリンカのヴィオラソナタを聞いてみよう
いかがだったでしょうか?
若かりし頃のグリンカの音楽への情熱が伝わってきますね
グリンカのヴィオラソナタの曲の理解が深まったところで、実際にどんなことを考えて練習すればいいかお話してきますね
どう弾くか?
実際にグリンカのヴィオラソナタをどう弾くか説明していくよ
9~12小節目
ヴィオラソロが出てくる、冒頭部分になります
9~12小節目で気を付けることは次の2つ
- 同じ音形が3回続くところは、階段を上るイメージで盛り上げる(上の画像の黄色、オレンジ、赤色の枠)
- 5連符のド#からレに行くときは焦らない(上の画像の緑の部分)
出だしは同じ音形が3回続きます(上の画像の黄色、オレンジ、赤色の枠)
3回目の頂点に向かって、階段を上るイメージで盛り上げていきます
1回目よりは2回目、2回目よりは3回目に感情を入れるイメージです
そして、続く5連符は焦らない(上の画像の緑の部分)
特に5連符の初めの音のド#からレまでは焦らない
ド#とレは音の幅で言ったら半音だけど、気持ちでは3段階ぐらい上に昇るイメージで弾きましょう
冒頭部分からたっぷり歌いましょう
13~17小節目
13小節目から17小節目は次の2つに注意して弾いてみてください
- アクセントは『もっと歌って』という合図(上の図の赤丸の部分)
- 緑枠の部分は冒頭のクライマックス、たっぷり歌う
13小節目から17小節目でアクセントがありますが、これては『もっと歌って』という合図です(上の図の赤丸の部分)
音を突くようなアクセントではなく、ヴィブラートをかけて豊かに楽器を鳴らす意識で弾きましょう
そして、冒頭のクライマックスです(緑枠の部分)
もうめっちゃ歌ってください
『これぞヴィオラの高音だ』って感じにしてください
最高音のラに向かってたっぷり歌います
冒頭クライマックス(緑枠の部分)の技術的な注意点としては、左手の指を立てずに寝かせます(下の写真を参考にしてみてください)
左手の指を立てて弦を押さえると、音がキツくなります
左手の指を寝かせて弦を押さえると、音が広がるような重みのある音がでます
左手の指を寝かせることで、ヴィオラらしい空間に広がるような重みのある音を出しやすくなります
左手の弦の押さえ方を工夫したりして、ヴィオラらしい音をだせるように練習しよう
21~25小節目
21小節目から25小節目で気を付けつけるポイントは2つ
- 頂点のソの音に向かって弾く(上の画像の赤丸)
- 16分音符は弓を置いてから『突く』イメージでハッキリ弾く(上の画像の緑丸)
頂点の音に向かって、方向性をもって弾こう
22小節目から23小節目のソ(上の画像の赤丸)に向かうように弾こう
ここでのもう一つのポイントが16分音符を『突く』ということです(上の画像の緑丸の16分音符)
弓で弦をしっかりつかんでから、歯切れよく16分音符を弾こう
16分音符は次の四分音符のアウフタクトと考えるとわかりやすいですね
31~39小節目
31小節目から39小説目までで気を付けることは次の2つです
- 32小説目(上の画像の赤枠)は左手と楽器が触れる感覚を大切にすると、音程が安定する
- 33小説目、34小節目のスラーアクセント(上の図の緑枠)は楽器をえぐるように弾く
32小節目(上の画僧の赤枠)は音程が取りにくいポイントです
ここは左手と楽器が触れる感触を大切にすると、音程が取りやすいです
手首付近と楽器が触れる感覚を大切にして、音程を取ってみてください
もう一つのポイントはスラースタッカート(上の画像の緑枠)を『楽器をえぐるように弾く』です
フォルティシモなので右手で弦をえぐるように弾いて、楽器をガンガン鳴らしてください
41~50小節目
41小節目から50小節目で気を付けることは次の2つです
- 41小節目からのアクセント(上の画像の赤丸)は弓を置いて弾く、弓を置いてから弾くだけで自然とアクセントになる
- 46小節目からのピッチカートはしっかり楽器を鳴らす(上の画像の緑丸)、弦をつかんで横にはじくイメージ
41小節目からフォルテ、あるいはフォルティシモでのアクセントが続きます
ここは弓を置いてから弾くことを意識してください
弓を置いてから弾き始めると、自然にアクセントになります
46小説目からのピッチカートは楽器をしっかり鳴らしてください
しっかり弦を左手でキャッチしてから、横に弾いてください
弦は右手の人差し指の親指側で弦をしっかりとつかみます
楽器の音をよーく聞いて、一番楽器が鳴るポイントを探してください
ぼくはピッチカートが苦手すぎて、なかなか上手くできませんでした。。
ピッチカートもなかなか奥が深いです
*後半部分についてはレッスンが終わったらどんどん更新していきます
まとめ
この記事ではグリンカとはどんな作曲家なのか?、グリンカ作曲のヴィオラソナタを弾くときに何を意識して練習したら良いかについてお話しました
この記事の内容を振り返ってみよう
- グリンカは『近代ロシア音楽の父』といわれ、音楽の後進国であったロシアを音楽大国にするキッカケを作った作曲家
- 同じ音形が続いたら、階段を上るイメージ盛り上げる、1回目よりは2回目を、2回目よりは3回目に気持ちをこめて
- 13~17小節目にあるアクセントは『もっと歌って』という合図
- ヴィオラのハイポジションは指を寝かせて弦を押さえる、指を寝かせて弦を押さえることでヴィオラらしい広がりのある重い音が出せる
- 21~25小節目の16分音符は『突く』イメージ、次の音符のアウフタクトと考える
- 41~50小節目のアクセントは弓を置いてから弾くだけ、弓を置いてから弾くだけで自然なアクセントになる
- ピッチカートは弦をしっかりつかんで横に弾くイメージで、楽器が一番鳴るポイントをよーく聞いて探そう
グリンカ作曲はヴィオラの魅力が存分詰まった曲です
ヴィオラを弾いているなら、是非取り組んでみて欲しい曲ですね
ヴィオラの魅力がたっぷり味わえる曲だよ
グリンカのヴィオラソナタを練習してみよっ
参考文献;スローヴァ!ロシア音楽物語 留守key著