- バッハ作曲の『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ1番よりシチリアーナ』の弾き方について解説!
- シチリアーナの特徴的なリズム、ターンタタンを意識して、1音1音を響かせて、それぞの声部は対等に弾いて、などなど・・・
- この記事の内容は、著者めっしーが実際にレッスンで教えていただいた内容を中心にまとめています
- 画像&動画付きでわかりやすく解説しています、ぜひ参考にしてみてくださいね

バッハの無伴奏ソナタ1番のシチリアーナって、どんなことに注意して練習したらいいのかな?
こんなお悩みを解決します。
- この記事の信頼性


Twitter(@messi_agarisyo)
・プロ奏者を輩出する教室でヴァイオリンを学ぶ
・日本トッププロ奏者(NHK交響楽団で弾いてた先生、プロオケでトップを弾いていた先生・・・)にも指導を受けた
・この記事の内容はヴァイオリンの本も出版されている先生から、直接レッスンを受けた内容を中心にまとめています
こんにちは、超絶緊張しいヴァイオリニストのめっしーです
好きです、
バッハの無伴奏ソナタ1番が。
そりゃあ猛烈に、
バッハの無伴奏ソナタ1番は死ぬまでに弾くと決めていた曲で、それはもう、いい曲。
一言でいうと、美しい、
まあ、弾けんけど。
この曲を弾くためにヴァイオリン弾いてきたんじゃね?って思わせてくれる曲です、ソナタ1番は。
この記事ではバッハ無伴奏のソナタ1番、シチリアーナについて解説します。
ソナタ1番のシチリアーナががどんな曲なのか?、どんな風に練習したらいいかについて解説していきます



画像&動画でわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください
バッハってどんな人?





バッハってどんな人だったの?
一言でいうと、頑固おやじ。
バッハ以外の作曲家って、なんか頭のネジが吹っ飛んでる人が多いけど、バッハは昭和の普通の頑固おやじ。
仕事、仕事、仕事、、、
仕事に情熱を燃やす、職人さん、そんなイメージで間違いないと思う。
まあ、如何せん頑固で自分の考えを曲げなかったから、口論も絶えなかったみたいだけど、
本当に良い音楽を作りたいっていう気持ちが強かったからこそ、ぶつかったんじゃないかな。


『無伴奏ソナタ1番のシチリアーナ』ってどんな曲?
『ヴァイオリン無伴奏のためのソナタ1番のシチリアーナ』は簡単に言うと、舞曲、踊りの曲。
Siciliana またはSiciliano
17・18世紀に、イタリアのシチリア島に発生した農民の舞曲です。
中位の速さか、少しゆったりめの6/8拍子、あるいは12/8拍子の曲
演奏のための楽典 正しく解釈するために 菊池有恒著
3拍子の踊りの曲、と思ってもらえたらいいかな。
ちなみにシチリア島ってこんなところ↓
で、シチリアーナに特徴的なリズムがあって、ターンタタンっていうリズム


このリズム↑がシチリアーナの特徴的なリズム
あとで詳しく説明するけど、このシチリアーナのリズムが出てきたときは意識して弾く、ここはシチリアーナのリズムですよーって聞いている人にわかるように演奏します。
実際に無伴奏ソナタ1番のシチリアーナを聞いてみよう
神々しいんだけど、どこかのどかな、落ち着いた気持ちにさせてくれる曲
『無伴奏ソナタ1番のシチリアーナ』の弾き方



無伴奏ソナタ1番のシチリアーナの弾き方について解説するよー
バッハって、いろーんな解釈があります。今回のが解釈のすべてじゃないので、一つの考え方として、こういうのがあるっていうので見て欲しいです、バッハ、奥が深すぎて。
目指すはオルガンの音
シチリアーナに限ったことじゃなくて、無伴奏ソナタ1番の全体にも言えることだけど、
目指すべき音はオルガンの音。
バッハはなんといってもオルガンの名手
もちろんバッハはヴァイオリンも弾けたらしいんだけど、オルガンが超得意
バッハの頭の中にはオルガンの音が鳴り響いていた、
オルガンの音をイメージして、『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ』を作ったんだと思う。
だから、無伴奏ソナタを弾くときに、オルガンの音をイメージしよう。
教会に響くオルガンの音。
音が減衰するんじゃなくて、向かう感じの音、方向性のある音。
そんなことをイメージして無伴奏ソナタ1番、シチリアーノを弾こう。



実際に音を出す前に、オルガンの音を聞いてみよう
今聞いた曲は、バッハ無伴奏ソナタ1番のアダージョのオルガン版。
少しはイメージわいたかな、
3拍子の3拍目が超大事
シチリアーナは舞曲で、3拍子なんだけど、3拍子の3拍目って超超超大事です
3拍目があるからこそ、1拍目がある
3拍目でジャンプして、1拍目で着地する感じ
ジャンプしているときの、滞空時間を感じる。
実際に3拍子の指揮をしてみると、わかりやすいと思います


3拍目が上げ拍、1拍目が下がる拍なんて言ったりする
【拍節感が身につかない】のは「弱拍・強拍」という”誤訳”のせいだ、というお話 pic.twitter.com/bsay5cWWAP
— 澤谷夏樹 (@Gebirgsbach) December 9, 2021



3拍目でジャンプして、1拍目で降りるまでの滞空時間、宙に浮いている感覚を感じると、上手な人の演奏に近づく



電子メトロノームだと、拍と拍の間、滞空時間が感じにくい、、
できたら、アナログ式、棒が動いてカチッ、カチッてなるメトロノームを使ってみよう
1音1音響かせて
さっき説明したオルガンの音に通じる話だけど、
1音1音響かせて、教会に響く感じて弾こう
例としてシチリアーナの冒頭を取り上げてみます


音と音の間がブチブチ切れないで、1音1音たっぷり弾く
悪い例はこんな感じ↓



音がブチブチ切れてるね
1音1音響かせるように弾くとこう↓
ソプラノとアルトは対等に
シチリアーナの冒頭をもう一度ピックアップ


ここでもう一つ注意した方が良いこと、
ソプラノとアルトが対等に聞こえるように弾く。


バッハの無伴奏、シチリアーナはもちろん一人で弾くんだけど、4人で弾くものを、一人で全部弾くっていう感じの曲。
ソプラノ、アルト、テノール、バスの四声。
シチリアーノの1小節目の部分は、ソプラノとアルトが対等に音楽を作る。
どうしても高い音が聞こえやすくて、ソプラノのメロディーしか聞こえてこなくなっちゃいがちなんだけど、アルトの音も聞こえるように。
低い方の音、ソプラノよりもアルトのメロディーを響かせてあげると、バランスが良くなる
32分音符は走らない
小説目に32分音符がでてくるんだけど、32分音符は走らない


32分音符が走っちゃうと、こんな感じ↓にバッハの音楽が軽い感じになります。



なんか軽ーい
32分音符はテンポキープか、少し重めの方がいいかもしれない。



少し↑の演奏は重過ぎるかもしんないけど、イメージ的にはこんな感じ
ベースの音がずっと鳴り響いている感じで
バッハの無伴奏、シチリアーナは一人で弾くんだけど、実際は4人で弾くものを、一人で弾くって言うチャレンジャーな曲。
ソプラノ、アルト、テノール、バス。
今度はソプラノ、アルトじゃなくてバス、ベースの話。
6、7小節目を見てみよう。


ここはベースがズンって鳴っている中で、メロディーが進むところ。
楽譜上は8分音符なんだけど、ベースがずっと鳴り響いてる感じで。



かなりベースの音を強調しているけど、頭の中ではこのぐらいベースの音が鳴り響いていることをイメージしよう
シチリアーナのリズムを意識して
シチリアーナを弾くときに意識して欲しいことの最後は、
シチリアーナのリズムを意識して、っていうこと。
シチリアーナのリズムを復習してみよう。


ターンタンっていうリズム。
バッハの無伴奏、シチリアーナには、ターンタタンっていうシチリアーナのリズムが、いろんなところにでてくる。
シチリアーナのリズムは全部意識しよう。
ここはシチリアーナのリズムなんだ、そう理解して弾こう。
実際にバッハの無伴奏、シチリアーナの譜面を見てみよう、15小節目から最後の部分。


こんな感じにシチリアーナの特徴的なリズムが何度も、何度も、何度も・・・出てくる。
実際にシチリアーナのリズムを意識して弾いてみる



シチリアーナのリズムだとわかって演奏してみよう
まとめ


この記事では、バッハ作曲のヴァイオリン無伴奏のソナタ第1番よりシチリアーナがどんな曲なのか?そしてどんなことに注意して練習すれば良いのか、についてお話しました



この記事の内容について振り替えてみよう
- シチリアーナは舞曲、シチリアーナで特徴的なターンタタンっていうリズムをしっかり意識して、わかって弾こう
- 目指すべき音はオルガンの音、1音1音、教会に響くように
- ソプラノとアルトは対等に、音が低いパート、この場合はアルトを響かせるイメージで
- ベースがずっと鳴り響いている中で、メロディーが流れるイメージ
この記事では、シチリアーナだけの解説だったけど、
バッハの無伴奏ソナタ1番って、全部の曲、ほんと良いです
このためにヴァイオリンを弾いてたんだ、そう思わせてくれる曲。
少しでもバッハの音楽に近づけるように、少しずつ積み上げていこう。
聴いて欲しい、バッハ無伴奏の名盤



参考にバッハ無伴奏の名盤を紹介するよ
シェリングのバッハ無伴奏
聴いて欲しいバッハ無伴奏、シェリングの演奏。
シェリングの演奏聞いてて思うのは、バッハをもう、とてつもなく尊敬してるっていうこと。
バッハのやりたかったことをくみ取って、演奏に取り入れているってこと。
なんというか、バッハ無伴奏の目指すべき音、オルガンの響き、教会に響く演奏に一番近いと思う。
まずは、シェリングの演奏を聞く、どんな音を目指すべきかを知る、そして音を出す。
ぜひ聞いてみて欲しいです
クレーメルのバッハ無伴奏
もう一人だけ、クレーメルのバッハ無伴奏。
個人的にはこっちの方が好きというか、共感できるというか、
なんだろう、孤独って言ったらいいのかな、寂しさがあるっているか、
ぼくはそんな孤独感にすごい共感する、繊細、孤独、クレーメルってそんな人なんじゃないかな、知らんけど。
どちらかというとクレーメルの演奏は独特なんだけど、内向的で、孤独に悩んでいる、そういう人が聴いたらシェリングのバッハ無伴奏よりも何か、共感できるんじゃないかな。
シェリングとは対極的な、もうひとつの正解、クレーメルのバッハ無伴奏。
いろんな楽譜を見てみよう
バッハの無伴奏ヴァイオリンを弾くってなったら、いろんな楽譜を見た方がいいと思う
楽譜によって、指とか、スラーとか、全然違う
ぼくはバッハの無伴奏を4冊持ってる。
- インターナショナル版
- ベーレンライター版
- ショット版
- ISR版
最初はインターナショナル版を使ってたんだけど、別の先生に習うときにショット版を進められた
全然違う
ショット版、めちゃくちゃ弾きやすいし、音楽的。
そう思った
楽譜によって印象が違う、時間とお金余裕があるなら、いろんな楽譜を見比べるといろんな発見があります