ギトリス病になりました。
病気じゃなくて、20世紀を代表するヴァイオリニスト、ギトリスの音楽が頭から離れません。
こういう心に入る音楽、良いなと。
心に入ってくる音楽を。
ギトリス、前々から知ってたんだけど、
あんまり聞いたことなくて。
初めて聞いたときは、あまりの個性的な音楽性と、美しいかと言われると、パールマンとかの方が美しくて、
魅力を感じなかった。
久々にギトリスの音源を聞いてみた。
パガニーニカプリースの11番。
僕の好きな曲。
美しかった。
いや、美しくはないです、演奏自体は、崩しまくってるし、
でも、心が綺麗といか、美しいというか、心が表れる感じがした。
ほんとにハートで弾く演奏。
こういう演奏もいい。
ギトリスの演奏が頭から離れません、ギトリス病になりまして。
アマチュアの目指すのはこういう音楽なのか、と。
ギトリスの音楽、
こういうのが、アマチュアの目指す音楽、なのかな、と。
ヴァイオリンを上手く弾ける人はたくさんいる。
毎年のように音楽大学からは卒業者が輩出され、
上手く演奏する、という点では、ハッキリ言ってアマチュアに残された価値はない。
だから上手く、美しく演奏する、そういうのは音大卒の上手い人たちに任せたら良いんじゃないかと思って。
アマチュアの目指すところは、上手く、美しく弾くっていう方向じゃなくて、
音大、プロ奏者ができないような自由であったり、テンポを崩すぐらい感情込めて演奏したり、心から楽しんだり、そういう方向なのかなと。
技術的にはもちろん神様みたいな存在ではあるんだけど、ギトリスのハートのある音楽、
今星の数ほど出ている、同じような演奏、整った音楽みたいに、心に刺されない音楽じゃなくて、
聞いている人の心に語りかけような音楽、こういうのがアマチュアの目指すところかな、と。
上手い、下手とかじゃなくて、自分のしたいことを素直に表現する、というか。
プロは仕事だから、自由にはできなくて、お客さんからの要望があって、
だから、アマチュアしかできない、悪くいえば癖の強い演奏、よく言えば、個性的な演奏を考えても良いと思う。
ギトリスの演奏を聞いてみて欲しくて。
ギトリスの演奏を聞いてみて欲しくて。
たぶん、今世の中に出ているヴァイオリニストみたいに綺麗に整っているわけじゃなくて、
気持ちで弾いている、そんな演奏です。
もちろん、綺麗に整っているわけじゃないので、ピカピカに磨かれた演奏しか聞いてないなら、
あまりの個性の強さに嫌悪感すら感じるかもしれません、汚いと言われたそれまでかもしれません。
でも、少しは今の世界にある病的な正確さ、時間の流れ、とか今と逆行した音というか、音楽に何かしら気持ちを動かして、感じてもらえてら嬉しいと思います。